

東京国際クリニック / 歯科
歯周病コラム
COLUMN
2016.06.02
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歯がグラグラしてきたら絶対に歯周病?
歯がグラグラしてくると多くの人は、「もしかしたら抜けてしまうのではないか・・・」と不安になって歯科医院を受診されると思います。歯がグラグラする原因として多いのは歯周病ですが、歯周病以外の原因で歯がグラつくこともあります。今回は「歯がグラグラする」原因について解説していきましょう。
生理的動揺なら大丈夫!?
私たちの歯は、健康な状態であっても多少のグラつきがあります。これは、歯と顎の骨の間に「歯根膜」という組織があるから。歯根膜は、噛んだときの衝撃を和らげるクッションのような働きをしているため、健康な歯でも力を加えると多少はグラつくのです。これを「生理的動揺」と言います。ちなみに、生理的動揺とされるのは0.2mm以下のグラつきであり、それ以上の範囲でグラグラしている場合は、何かしらのトラブルが隠れていると考えたほうがよさそうです。
歯周病の可能性が大!
上述のとおり、歯がグラつく最大の原因は歯周病です。歯周病が進行すると歯を支えている顎の骨が吸収されていき、やがてグラグラするようになります。この状態のまま放置しておくと、最悪の場合、歯が抜けてしまいます。歯周病の進行ステップはこちらをご覧ください。
骨が「溶かされる」って本当?
歯周病によって顎の骨が「溶かされる」「吸収する」などと言われますが、これらの表現は分かるようで分からないという方も多いと思います。骨が溶かされるメカニズムを簡単にご説明します。
歯周病がひどくなると、歯周ポケットの中の歯周病菌が増殖し、ポケット深くまで炎症が及んでいきます。そのまま歯ぐきの炎症が進むと、歯ぐきの下の顎の骨近くまで炎症が及び骨髄炎(骨の内部にある骨髄に化膿性の炎症を起こす病気)になるリスクがあります。しかし、私たち人間の体はうまくできているので、歯周病菌などの細菌による炎症が迫ってくるとそれを察知して、骨は炎症から逃げるようになくなります。この現象が、歯周病で顎の骨が「溶かされる」「吸収する」と言われるものです。
厳密に言えば「吸収する」という表現が適しているかと思いますが、患者さんへの分かりやすさという点から「溶ける」「溶かされる」という言葉が広く用いられています。
細菌から逃れるのは良い反応だと言えますが、本来、歯を支えるべき骨が減ってしまえば当然「歯のグラつき」につながり、放置しておくと最終的には歯を支えられなくなり抜け落ちてしまいます。
歯周病以外の原因とは?
歯がグラつく原因は歯周病だけではありません。以下のようなケースでも「歯のグラつき」という症状が現れます。
一部の歯に過度な力がかかっている場合
一部の歯だけに過剰な力がかかっていると、クッションの役割を果たしている歯根膜がダメージを受け、歯がグラグラしてくることがあります。一部の歯だけに過剰な負担がかかるケースとして多いのは、噛み合わせが乱れている場合。また、歯ぎしりや食いしばりのクセがある場合です。
歯の根が割れている場合
歯の根が割れてしまう(歯根破折)と、歯がグラつくようになります。歯根破折は、神経まで達しているひどい虫歯や過去に神経を除去した歯に多く見られ、歯ぎしりや打撲などの強い外力が誘発原因となります。
歯の根の先に膿がたまっている場合
歯の根の先に膿がたまる(根尖性歯周炎)と歯が浮いたような感覚を覚え、歯がグラグラしてくることがあります。
歯を強くぶつけた場合
スポーツや事故などで歯を強くぶつけると、ダメージを受けた歯がグラグラしてくることがあります。
抜歯を避けるために早期の対策を
このように歯がグラつく原因は様々ですが、早期に最適な治療を受けることで「抜歯」という最悪の事態は避けられます。「5人に4人が歯周病」は本当?数字で見る歯周病の実態でも触れましたが、日本人の80歳前後の高齢者の方の残存歯数は約10.6本ととても低い数字です。
いくつになってもご自身の歯で食事をすることが一番です。そのため、「歯がグラついているかも・・・」「歯が浮くような感じがする」などと感じたら、早めに歯科医院を受診し検査をしてもらうことをおすすめします。
東京国際クリニック/歯科は歯周病治療の専門治療をおこなっていますが、もちろん、歯周病以外の要因で歯がグラついているケースにも最適な対処が可能です。どうぞお気軽にご相談ください。
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