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噛み合わせの乱れが歯周病を発症・悪化させるって本当?

period012歯周病は、口腔内に付着したプラーク(歯垢)内に潜む細菌によって歯茎や歯槽骨などに炎症が起き、細菌が出した毒素によってそれらが溶かされて(吸収されて)しまう病気です。この歯周病の発症を招いたり、悪化させたりする要因として「噛み合わせの乱れ」が挙げられることがあります。

東京国際クリニック/歯科がお届けするこのコラム、今回は「噛み合わせの乱れと歯周病の関係性」について触れてみたいと思います。

噛み合わせの乱れと歯周病に因果関係は?

歯科医院によっては、「噛み合わせの乱れが歯周病を悪化させる」「(噛み合わせの乱れに起因する)歯ぎしりや食いしばりによって骨の吸収が進む」という説明をするところがあると思います。しかし結論からお話しすると、噛み合わせの乱れと歯周病に直接的な因果関係はありません。

噛み合わせが乱れると歯が揺さぶられるようになり、それにともなって歯槽骨が吸収されやすくなり、そのため歯槽骨の吸収が起こる――と考えている歯科医師は少なくないと思いますが、骨の吸収が見られた部分には必ずプラークの付着が確認できます。これはつまり、プラーク(に潜む歯周病菌)の存在がなければ炎症が起きたりポケットが深くなったりすることはない、ということを意味しています。

2つの「咬合性外傷」の違い

とはいえ、プラークがなければ安心かと言えばそういうわけでもありません。噛み合わせの乱れなどによって起こる歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯周組織が損傷します。これを「咬合性外傷」と言います。

咬合性外傷には一次性のもの(健全な歯周組織に強い力が加わって起こる病変)と二次性のもの(歯周病の炎症で弱くなった歯周組織に正常な噛む力が加わって起こる病変)があります。前の段落でお話ししたように、一次性の咬合性外傷の場合は、力が加わる箇所を咬合調整することで吸収されてしまった骨も再形成されます。しかし、30歳以上の約8割が歯周病リスクを抱えている日本では、多くのケースで歯周病と咬合性外傷とが合併しています。こういった事情が、「噛み合わせの乱れが歯周病を悪化させる」という誤った認識につながっているのだと考えられます。

因果関係はないが、無関係ではない歯周病

咬合性外傷を改善するための処置は主に、詰め物・被せ物などの高さを調整して圧力を分散させる「噛み合わせ治療」、就寝時や運動時などのブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり)を軽減する「マウスピース治療」、そして「歯周病治療」の3種類です。一次性咬合性外傷の場合は比較的すぐに改善が見込めますが、二次性咬合性外傷だと歯周組織が溶けて(吸収されて)いるため、本格的な歯周病治療が必要になります。

噛み合わせの乱れとプラークの蓄積がセットになると、お口の健康を損なうリスクが著しく高まります。常に正しいプラークコントロールを心がけることはもちろん重要ですが、「噛んだ瞬間に痛む」「歯がグラつく」「冷たいものがしみる」「歯が浮いた感じがする」「顎が重い」といった症状が気になる場合は、早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。30歳以上の方の場合は、歯周病を専門とされている歯科医院だとより安心ですね。

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監修者情報

公開日:2016.01.29

更新日:2018.12.18

清水智幸 東京国際クリニック/歯科 院長

清水智幸(しみずともゆき) 
東京国際クリニック/歯科 院長

歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。

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