インプラントのデメリットも把握しておきましょう! | 歯周病治療ペリオド | 東京国際クリニック/歯科

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インプラントのデメリットも把握しておきましょう!

美味しく食べたいので、歯を抜いてインプラントにしてもいいでしょうか?(50代 Iさん)

Iさん:
奥歯がグラグラしており、硬いものを噛むと痛むことがあります。インプラントにすれば、何でもストレスなく噛めるようになると聞いたので、歯を抜いてインプラントを入れようと思っています。

清水院長:
歯科医師から「インプラントにすれば、せんべいでもステーキでもすぐに噛めるようになりますよ」と勧められたことがある人は多いと思います。ですが、すぐにインプラントを入れるのはお勧めできません。まずは、セカンドオピニオンも含め「自分の歯を残せないか?」ということを検討すべきでしょう。

Iさん:
インプラントは優れた治療法だと聞きますが、なぜすぐにインプラントにしてはいけないのでしょうか?

清水院長:
インプラント治療とは、チタン製の人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込み、その上にセラミックなどの人工歯冠(クラウン)を装着することで、噛む機能を回復させる治療です。

Iさんのおっしゃるとおり優れた治療法ですが、インプラントが選択されるのは、あくまでも「すでに歯を失っている場合」か、「どうやっても歯を残せない場合」のいずれかであるべきです。ご自身の歯を残せる可能性があるのであれば、その可能性を追求すべきだと考えます。

なぜなら、インプラントより天然歯のほうが優れているからです。インプラントは、物理的な強度は天然歯より優れていますが、細菌に対する抵抗力は天然歯より格段に劣ります。天然歯には「歯根膜」という組織があり、細菌を排除する働きをしているのですが、インプラントには歯根膜がないので細菌に対するバリア機能が働かないのです。そのため、歯周病に類似した病気である「インプラント周囲炎」にかかるリスクも少なくありません。

Iさん:
グラついていても歯を抜かずに、再び噛めるようにしたほうがいいということですね?

清水院長:
そうですね。お話を伺うと、Iさんの歯の揺れ(グラつき)は歯周病が原因だと推測されます。歯周病によって歯を支えている骨が失われると歯が揺れるようになりますが、その場合、必ず歯茎に炎症が起きているはずです。

歯茎の炎症は、歯周病専門医による歯周病治療に加え、朝晩、適切なブラッシングをおこなうことで鎮まってきます。炎症がなくなると歯茎が引き締まり、歯にぴったりと密着します。そうなると、歯茎が「サポーター」の役割を果たし、歯の揺れも治まってくるのです。その結果、「多少は揺れるけど痛みはない」状態になれば抜菌する必要はなく、ご自身の歯を残すことができます。

Iさん:
歯周病は、治すのが難しい病気だと聞いたことがあるのですが。

清水院長:
歯科医師のなかには「歯周病は治らない病気」「一生、付き合っていかなければいけない病気」などと言う人がいますが、これらはまったくの誤りです。歯周病は、もう何十年も前に治ることが明らかになっています。原因である歯周病菌を口腔内から除去できれば、必ず歯周病は治ります。

だたし、歯周病が重度にまで進行している場合は、残念ながら歯を残せないケースもあります。その場合は、抜歯してインプラントを選択することになりますが、インプラント治療をおこなうにしても、必ずその前に歯周病を完治させなければいけません。なぜなら、歯周病が完治する前にインプラントを入れると、インプラント周囲炎(※)を発症する確率が高くなってしまうからです。「インプラントは歯周病を治してから」──これだけは必ず守らなければいけません。
※インプラントに生じる、歯周病に類似した病気。歯茎に加えて顎の骨にも炎症が起きる。

インプラントは半永久的に使えると聞きましたが、本当ですか?(40代 Jさん)

Jさん:
インプラントは、一度入れてしまえば半永久的に使えると聞きました。自分は面倒くさがりなので、インプラントなら手間がかからなくて良さそうだと思い、検討しています。

清水院長:
たしかにインプラントは半永久的に使える可能性がありますが、それには条件があります。インプラントが半永久的に使えるのは、3~4ヶ月おきに定期検診を受けるとともに、朝晩の適切なブラッシングができている場合に限られます。

Jさん:
インプラントは人工物なので、ケアをしなくてもむし歯や歯周病にはならないのではないでしょうか?

清水院長:
おっしゃるとおり、インプラントは人工物なのでむし歯になることはありません。ですが、歯周病になるリスクはあります。正確に言うと「インプラント周囲炎」という病気になるリスクがあります。

Jさん:
インプラント周囲炎とはどんな病気ですか?

清水院長:
インプラント周囲炎は、インプラントに生じる「歯周病に類似した病気」のことで、正しいブラッシングで細菌を除去できていないと発症してしまいます。近年、インプラント周囲炎に罹患する人が増加しているのが問題になっています。

インプラント周囲炎になると顎の骨がなくなっていきますが、インプラントは骨と直接くっついているため、症状が進行しても天然歯のように揺れが起こりません。そのため、深刻な状態になるまで放置されがちな点も大きな問題です。

Jさん:
毎日きちんとブラッシングしていれば、インプラント周囲炎を防ぐことができますか?

清水院長:
はい、予防できます。しかし、日本人が歯を失う原因の約7割が歯周病とむし歯であることを考えると、インプラントを入れている人は、歯周病やむし歯が重症化して抜歯を余儀なくされたと思われます。そして、歯周病やむし歯の重症化を許してしまったということは、その人は「きちんとブラッシングできていなかった」可能性が高いです。

つまり、以前と変わらない生活習慣・ブラッシング習慣では、インプラント周囲炎にかかるリスクが高くなってしまうということです。

口腔内の健康を保つには、天然歯もインプラントもすべきことは同じです。朝晩の正しいブラッシングと定期検診の重要性をあらためて認識していただければと思います。

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監修者情報

公開日:2020年12月4日

更新日:2021年3月2日

清水智幸 東京国際クリニック/歯科 院長

清水智幸(しみずともゆき) 
東京国際クリニック/歯科 院長

歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。

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