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ルートプレーニングは必要ないと考える理由

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軽度の歯周病治療や予防歯科では歯石を除去するためにスケーリングを行いますが、歯周病が進行して歯周ポケットの深さが4mm以上になると、スケーリングだけでは歯周ポケット内部の汚れを落とせなくなります。そこで、続く処置として多くの歯科医院で実施しているのがルートプレーニング(SRP)です。

ルートプレーニングは、歯周ポケット奥深くにある歯石や歯周病菌に汚染されたセメント質(歯と歯槽骨を固定する細胞組織)を除去し、最後に歯根面を滑沢にする処置のことです。当たり前のように行われることが多いですが、私たち東京国際クリニック/歯科では歯周病治療にルートプレーニングは必要ないと考えています。今回は、その理由について掘り下げていきます。

これまでの常識が正しいとは限らない!?

セメント質は歯根膜などから栄養をもらって正常に機能していますが、歯周ポケットが形成されると栄養が供給されなくなります。こうして歯周病菌に汚染されたセメント質は、歯と歯槽骨を固定する役割を果たせなくなってしまうのです。ルートプレーニングではこの汚染されたセメント質をよく研いだキュレットという器具でガリガリと落としていきますが、この行為に問題があると考えています。

日本ではつい最近まで「壊死セメント質には細菌の毒素が染み込んでおり、この毒素が歯茎の炎症を招いたり、歯根膜の病変の原因になったりする」と考えられてきました。ルートプレーニングによって歯根から汚染されたセメント質を削り取ろうとする歯科医院が多いのは、このためです。

しかし、歯科先進国のヨーロッパでの研究によって「壊死セメント質は存在しない」、「歯根面の毒素は生理食塩液で99%以上除去できる」ということが明らかになっています。つまり、これは「ルートプレーニングによって壊死セメント質を完全に除去すべき」というこれまでの常識が正しいと言えなくなった――ということです。

ルートプレーニングのデメリット

知覚過敏や痛みなどが出やすい

ルートプレーニングによって歯周組織が傷ついてしまうので、知覚過敏の症状や術後の痛みなどが出やすくなります。また、歯肉が退縮して歯が長く見えたり、歯と歯の隙間が広くなったりするという審美的な問題も生じます。

吸収された骨が再生しなくなる

歯を支えるうえで重要な役割を果たすセメント質には、骨の再生を促すという重要な働きがあります。このセメント質を削り落してしまうと、吸収された骨の再生は望めなくなってしまいます。

処置そのものの難易度が高い

歯根部分に付着した見えない部分のプラークや歯石を取り除くのは、大変難易度が高い処置です。歯根部分にはエナメル質がないのでキュレットで簡単に削り取れますが、歯根膜は再生しないので削り過ぎに細心の注意を払わなければなりません。

構造物そのものを取り除く必要はありません

歯周病治療で大事なのは、大量の細菌が潜んでいるプラークとプラークの温床となる歯石の定着を防ぐことです。しかし、ルートプレーニングにはセメント質という構造物そのものを削り取ってしまうリスクがあります。これが、当院が歯周病治療にルートプレーニングは必要ないと考える理由です。

東京国際クリニック/歯科の歯周病治療「PERIOD.」では、ルートプレーニングに代わる処置として「デブライドメント」を行っています。歯周組織への負担を抑えてプラークを取り除き、歯周病を確実に改善させましょう。

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監修者情報

公開日:2015年12月14日

更新日:2018年12月18日

清水智幸 東京国際クリニック/歯科 院長

清水智幸(しみずともゆき) 
東京国際クリニック/歯科 院長

歯学博士。日本歯科大学卒業後、近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者 奥羽大歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上。歯周病治療以外にも、インプラントに生じるトラブル(インプラント周囲炎治療)に取り組み、世界シェアNo.1のインプラントメーカー ストローマン社が開催するセミナーの講師を務めるなど、歯科医師の育成にも力を入れている。

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